時代を超えて残る名作

だいぶ、こちらの投稿していなかった。。。


昨年後半から参加させて頂いていた大きな作品が終わり、またこれからの自分の道を模索する中で、ふと出会った過去の名作があります。


1992年 の「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」という作品。

アル・パチーノが盲目の元軍人を演じている。

最近体調が悪く、寝付けないので、何か映画でも見ようではないか!と動画配信ページをネットサーフィンしていて気になって見始めた作品。

我ながら自分のセンサーの優秀さに驚いた。

冒頭の数分で、「ああ、私がやりたい世界観て、こういうものだった」と再確認させてくれた作品。主人公の苦学生役の俳優さんの演技もいい、もちろんアル・パチーノは圧巻。キャスティング、衣装、セット、描かれるストーリーも好み。詳細に描かれる部分と、描写しないけど匂わす部分との配分も絶妙。


今、日本では映画産業の多くが本当に予算削減の方向なんだなぁと感じる。(もちろんそうではない現場も沢山あると思います)

原作漫画のヒット作品の映画化や、どのくらいの集客が見込めるかの俳優陣の人気度によって企画が組み立てられる方向が多いように感じるけれども、この作品の作られ方はそれとは全く別ベクトルで作られている。(実際のアメリカの当時の映画事情を知らないので、安易には言えないけれど、、、)


この一見静かなストーリーの中で観客を惹きつけて行く為に、アル・パチーノが演じた役のキャラクター設定がすごく重要なのだけど、最初「なんでこんな大袈裟な立ち振る舞いをこの男はするのだろう…嫌な奴だなぁ」と感じた部分が、中盤に向け、「そうか、そうだったのか、だからあんな強い表現が必要だったのか」と腑に落ちる。


鑑賞中、この映画、昔観たことがある。。。と思い出したもののの、昔はこんな風に感じなかっただろうなと思うのがまた映画の面白さでもあるなぁと。

映画というもの自体への愛を再確認してしまった。

ちょっと話はずれるけれど、昔見た「デブラ・ウィンガーを探して※」のドキュメンタリー映画の中で、超有名女優さんが、高額のギャラを頂き、整えられたセットに招き入れられた時に本心は、自分はそれに見合う最高の演技ができるのか、毎回自分自身でも怖いというようなコメントをしていた。

人間だもの。そうですよね。。。大女優さんでもそうなんだなぁ。

昔、テレビドラマの現場で、大杉漣さんが、初めてそのドラマの現場に合流した初日に「みんな僕が何本も作品に出ているから緊張していないと思うでしょ?僕だってうまくいくか毎回ドキドキしてるんだよ」という趣旨のお話しをして下さって、そういうもんなんだなぁとその場のスタッフの緊張が一気に和んだのを思い出す。


※「デブラ・ウィンガーを探して」は2002年に作られたもので、女優のロザンナ・アークエット(映画「グレート・ブルー」の主人公ジャックに心惹かれる恋人の役がとてもキュートだった女優さん)の初監督作品。34人のハリウッド女優さんに本音のインタビューしている、とても面白い作品。


↓写真は、先日まで入っていた作品のスタッフルームからの帰り道に見つけた薔薇の花。

作品中は終電や夜遅い時間に帰宅する事も多く、へばっている時に、こういう夜道に静かに咲く薔薇の花に癒されておりました。


私も、今世で「時代を超えて残る名作」を作りたいし、出演したい。