それでも人生は続く

コロナが流行り出した頃

私はちょうど、当時長く働かせて頂いていた職場を退職し

その後仕事がなくてとても困っていた。

この歳で再就職口もなかなか決まらず

日雇いアルバイトをしたり、得意な絵を描いて販売させて頂いたりしていた。


そんな時に、長い付き合いの友人からお声がけ頂き

初めて映画(商業)の助監督をさせて頂く機会を頂きました。

(単発ドラマやインディーズ映画、すごーく昔、連ドラの助監督は

やったことがあった)けれど

正直、私は過去に猛烈に失敗し怒られた数々の体験があり

もう、映画のような大きなお仕事ができるメンタルも体力も

この年齢ではないと思っていたし、

そもそも、声をかけてもらえないとできないお仕事、、、

こんな年齢の自分には誰も声などかけてくれないだろうと

半ば諦めかけていた時だった。

しかも超憧れの監督の作品で、失敗は許されない。

誘ってくれた友人にも、生半可な気持ちではダメだと言われた。


そんな状態で、でも、もうこのチャンスを見逃して

他に何があるの?というくらい失うものはなかったし

そもそもできるかどうか分からないけれど

やりたい!と思ったので

やってみよう!とチャレンジ。


正直…過去、現場で味わった数々の失敗で

恐怖との戦いでもありました。


でも

チャレンジしてみて分かったことは…

実は、過去にメンタルが崩壊するほど落ち込んだので

また同じような体験をしたら、本当に取り返しがつかないほど

自分は心が壊れてしまうのではないかと心配だったけど


大丈夫でした。


むしろ、過去にぶつかった壁を

同じ壁を乗り越えていくしか

その恐怖を克服できる方法はないのではないかと思えてきたし

ぶつかったからこそ途中までの登り方は知っている

これを克服できるかもしれないというワクワクとした気持ち。

そして、常に100%完璧を求めるのではなく

今できる目の前ことをとにかく一つずつ精一杯やり

できないことは助けを求めるようにちゃんとコミュニケーションを取っていく。

そんな風に向き合い方も変えました。


ご存知の方もいらっしゃると思いますが

私の長年の夢は、「映画監督で実力派俳優」という人

それを目指してずっと努力してきた。

でももうこんな歳だよ。

目だってかすんで老眼入りそうだし

身体だって無理がきかない(首と腰にヘルニアを持っている…)

でも、やっぱり、撮影現場でいろんな部署のいろんな想いで

「いい映画作ろう!」って思ってそこに来ている人達の中で

自分も頑張れるという時間は

何よりも楽しい。


それに気づけたことが

最大の収穫だなぁと

そんなことを思う、今日この頃です。

ここ数ヶ月で3本の作品に関わらせて頂きました。

私自身がとても完成を待ちわびでおります。


映画「月の満ち欠け」演出部

映画「モエカレはオレンジ色」演出部

どこかで見かけたら

お声がけください。