まっすぐに

三浦春馬さんの書籍「日本製」の『Documentary PHOTO BOOK 2019-2020 』

を観ていると

三浦春馬さんの死という出来事を、なかった事になんてできない。

何か色んな不条理さや葛藤を抱えながらも

出会った役の人物の人生を本当に生きようと必死になって戦っている姿がある。


俳優ってなんだろう、演技ってなんだろうって考えてしまう。

フィクションの中に生きる演じられた役に、こんなにまで人々が影響を受け

日常に力が出たり、悲しくて辛くなったり、自分を見つめ直したりする。

生きられない人生を生きてくれる登場人物に憧れて

頑張ろうって少しでも真似してみたりする。

しかし俳優は生き残る為には求められなくていけなくて、

その1要素として視聴率というある一つの評価も存在する。

視聴率が上がる作品は過剰にロマンチックな演出もあったり、

それを自然に観えるように演じられる容姿で演技力がある俳優さんがいて

(彼らは生き残る為にそういう技術を必死で磨き)

その作品で人気が出た場合、

そういう部分を期待され、現実の人間臭い自分と作られたイメージのギャップに

悩むことになるんだろう。

(昔、リュック・ベッソン監督のヒット映画『グラン・ブルー』の主人公

ジャック・マイヨール役を演じたジャン=マルク・バールが、

その後同じようや役柄を求められ苦しんでいたインタビューを読んだ事がある)


俳優は作品が終わり現実に戻った時に、仕事に全てを注ぎ込み

その傍でリアルな人生(結婚、家族、友人関係など?)がままならなかったとしたら…、

その事実に落胆して心が空っぽになった時、どうすれば良いか分からなくなっても、

それを心底なんとかしたいのは己だけだと知った場合の虚しさは計り切れない。


このスピード社会で、限られた時間の間に関わる周りの人々は

仕事上では笑顔、そつなくカッコ良くこなす姿を期待してしまう訳で、

もちろんそれを求められる事は理解し重々承知の上、

もし一方でグズグズ悩みうまく進めない本当の等身大の自分が居たら、

そんな姿見せられないし、自分でも許せないし受け入れられなくなって

絶望してしまう瞬間があるのかもしれない。


もっと全てを温かく受け入れる事ができるには…

やっぱりそれってそんな自分を自分が受け入れ、

少しずつ周りにも伝えていけたら世界が変わって見えていくのか…。

不器用だった場合、その途上で途方もなくバッシングされ、

自分でも自分をバッシングした場合…

抜け出す道は見つけられるのか…。


自分は既にいい大人の年齢だけど…まだまだ分からない事が沢山あります。


ただ、…大声で叫ぶ事を許してもらえるのであれば

「あなたが居ない世界なんて、嫌だぁぁぁ!!!!」(泣)